晩♨

呟くには大きすぎる気持ちを綴る場所

ポケットモンスター スカーレット プレイ後くだ巻き怪文書

 

今までのポケモン作品の中でも個人的にトップクラスに情緒を揺さぶられる作品だったので衝動で筆を執りました。当然ながらネタバレのオンパレードです(たぶん)。こんな記事を読むことで一生に一度しかできない初見プレイという経験を無為にしてしまうのは僕としてはあり得ないことだと思っているので、まだエンディング見てないよって方は”ご自身で”プレイしていただいて、”ご自身で”ポケットモンスターの世界を感じ取っていただいたうえで、そのあとにたまたまこの記事のことを思い出したら読んでいただけると嬉しいです。

 

それから、これを書いているのは発売からたった1週間程度しか経っていない時期です。当然何度も周回プレイを重ねてシナリオを読み込んで理解を深めたわけではないですし、これから先に公式回答やもっと素敵な解釈を見つけて今の考えが変わる可能性も大いにあります。また、ただの一般理系大学生につき物語の読解力には少々自信がありません。それでも今の気持ちを綴らないわけにはいかない、そう感じさせるほどのパワーがこの作品にはありました。この記事はポケモンSVに関する僕個人の第一印象をまとめたものってことでどうか一つ。

 

あと先に言っておくと、感想を述べるだけであってこの作品を点数つけて評価しようってわけでは全くないです。仮に点数つけたとしても僕はシナリオを軸にした演出面にかなり勾配をつけた加重配点しちゃうだろうから、ゲーム全体のフラットな評価がそもそもできないですしね。


項目は適当です。心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くってるので、被ったり語り具合がまちまちだったりするかも。

 


○システムとかの部分
オープンワールド
 好き。

 

 歩いてってまだ見ぬポケモンが出てきたとき、コライドンがひでんスパイス食って能力を取り戻したとき、ちょっと道を外れてみたら自分の手持ちより30レベくらい高い野生に出くわしたとき。オープニング(コライドンがパルデア地方を飛び回ってラスト浜辺に墜落するムービーね)やマップなんかで、パルデア地方にはこんな場所があるんだってことを序盤からチラ見せしてくれるから、そういう”新しいものに手が届いた瞬間”のワクワクは一入だと思う。楽しい。

 

 旅を始めた最初のころは持ってないポケモンを景気よく片っ端から捕まえていくけど、終盤はだんだん敵も強くなるし捕まりにくいポケモン増えるしで割と図鑑埋め雑になっちゃいがち……ってのがいつものパターンだったんだけど、今作は最後までモチベーションが全く落ちなかった(まだ図鑑完成してないけど)。これはUIのおかげなところもあると思う(後述)。

 

 あまりに歩き回るのが楽しくてあっという間にエンディングに到達して、そのときにはいろんなところを踏破しちゃってた(と思ってた)もんだから、あれ?パルデア地方って狭かったのかな?……とか一瞬思ったけど、今はむしろ十分すぎるほど広いってことを実感してる。なんでって杭がマジで見つからんのよ。意地でも攻略情報見ないで自力で探してるんだけど、あと1本か2本を残して4日目に突入したところ。いつもちょっと意識の外にある場所に刺さってるから、全然パルデアの隅々まで冒険しきれてない気がするんだ。

 

 ただ気持ちよく野を駆け回ってるとちっちゃいポケモンにめちゃ頻繁に引っ掛かって、さらにポケモンが密集してたりするところだと逃げる→ぶつかるのコンボを食らうこともままある。戦闘の入りのテンポが早めなので僕は取り立てて悪く言うほどは気にならなかったけど、やっぱり「あ゛ぁ゛っ」みたいな声は出る。

 


・UIまわりとか操作感とか(具体的な例が思いついたやつだけ)
 正直微妙!でも気に入ったところもあるよ

 

 とりあえず右下のミニマップを回転しないように設定させてほしい。地図が北向いてないと地図読めないので自分が回転する……。なんて無駄な行動だろうか……。

 

 それからボックスは結構使いづらいと思ってて、例えば
・ボックス移動したときとかの読み込みが遅い。せめて読み込みが追い付いていないところでも先に「ポケモンがいるかどうか」だけは分かるように表示してほしかった……(剣盾みたいな感じ。最初はポケモンがいるマスはボールのアイコンが表示されて、読み込みが追い付いたらポケモンのアイコンになるやつ)
・十字ボタン(左手の親指で押す)を使ってポケモンを移動させるのに、一括移動に切り替えるボタンがあろうことか-ボタン(左手の親指で押す)なもんだからスムーズに一括移動ができない
ポケモンを移動してる時はボックス一覧表示に移動できない
みたいな感じで割と問題点ある気がします。特に過去作でできてたことができなくなってるのはうーーーん……って感じ。

 

 メインメニューから直接手持ちの状況を確認できるのは嬉しいけど、ポケモン間の持ち物移動ができないのがちょっと不便。

 

 あと図鑑とかバッグ内をスクロールしていくとき、スクロール方向と垂直な方向の入力で10個飛ばしとかでスクロールしていけるいつもの機能がなくて結構だるい。

 

 操作感とかテンポはわりともっさりしてるんだろうなって思う。”思う”ってのは僕はもっさりしててもそんなに気にならない人間ってだけ。サクサクなところはサクサクだから(レベルアップ時とか)、その分もっさりしてるところは目立っちゃうかもねとか思ったり思わなかったり。

 

 ……と、ここまで割と不満ばかり垂れてきたけど、結構明確に気に入ってるところもあります。それは野生戦でモンスターボールにアクセスしやすいところ。Xですぐモンスターボールにアクセスできるのは前からだったけど、以前よりも目に付きやすい中央下にドンと大きく表示されてるから、さあ捕まえるぞの気持ちに行きやすい。さっき言ってたポケモンを捕まえるモチベーションがずっと保たれてたのは、このUIのおかげもあると思う。

 

 ちなみにモンスターボールをXから投げるようになった弊害?として、トレーナー戦でモンスターボールを投げることができなくなったというアレがあります。まあ99.5%くらいの人は投げないと思うけど、僕は今作のストーリー進めてるときに1回だけ
・出してるポケモンそのままにしておけば相手はそのうち勝手に自滅する
・相手側に有効打がないので回復の必要がない
・一方こっちも有効打がないので早く終わらせることもできない
・PP温存したい
・こっちのポケモンが積み技を持ってない
みたいな状況が見事に揃いまして、ターン消費のためにボール投げらんないことが痛手となりました。ってかそのときにはじめてボール投げらんないことに気付きました。まあ別にホント~~~に全然いいんだけど。これは今作からかどうかは知らないので前作の時点でできなかったらすまん。普通にプレイしてる分にはそれくらいレアケースってことかと。

 

 

・アカデミーの授業
 めちゃくちゃいい。

 

 今までの作品だったら”おとくなけいじばん”とか、”チュートリアルを教えてくれるモブ”とかが担ってた役割に加えて、世界観の説明や先生のキャラクターの深掘りまで兼ねている素晴らしい要素だと思う。あとゲーム的なチュートリアルだけじゃなくて、人生において大事なことまで改めて教えてくれる。

 

 個人的に印象に残ってるのはセイジ先生の「コミュニケーションの第一歩は相手をほめることだよ!ほめられて嫌な気持ちになる人は少なかろうもんね!」ってセリフ。「褒められて嫌な気持ちになる人はいない」ではなく「少なかろう」っていう表現を選んでるところが、ああ、やさしい世界なんだなあって、すっごく好感持てた。

 

 

 ただ回り見てると全然授業を受けずに進めちゃったって人もそれなりにいて、もう少しゲーム内で受講を促しても良かったのかな?と思わなくもない。僕は街の人の会話とか看板とか本棚とか、とにかく得られる情報は片っ端から拾っていくタイプのゲーマーなので無問題だったけど。なので今からポケモンSV始める人がみなさんの周りにいらっしゃったら、その人の旅の自由を妨げない範囲で、ぜひ授業を受けることをお勧めしてあげてください。

 


・キャラメイクやブティック
 キャラメイクだけで数時間イケる。制服が春夏秋冬の4パターンしかないけど、顔を結構作りこめるからパーソナリティはそれなりに出せるかな?ってな感じ。とはいえ服も着替えられたらもっと個性出せただろうからうれしかったけど。校則なら仕方ない。

 

 ところでそもそもこの校則が描写される理由の1つは、スター団が問題行為をやらかしてるってことを示すためだと思うんだけど、スター団の罪状が1つ減る代わりに衣服の自由が手に入れられるならそっちのが流石に嬉しい気もする。まあ学校らしいと言えば学校らしいけど。

 

 ちなみに僕は基本春服で、ナッペ山に行くときだけ冬服着こみます。こういうロールプレイすき。

 


・バトルタワーがない?
 らしい?基本的に攻略情報ぜんぜん見ないで進めてるからわからんのだけど、今のところ無さげ。僕は対人戦は基本やらずバトル施設を触るタイプの人なので、ないならちょっと残念。個人的に一番好きなバトル施設はBW2のPWTで、本当に全作品に実装されてほしいと思ってるくらいなんだけど、そんなこと言ったらXYの頃から理想的なバトル施設に巡り合えてないってのはその通りではあります。まあだからいつも通りっちゃあいつも通り。いつか四天王を含めたPWTが帰ってこないかなあ。

 


・不具合とか
 四天王戦とオモダカ戦のBGMのバグ引いててさすがに悲しい(なんか緊迫感を押し出したBGMなのかなあとか思ってた)。初見プレイのワクワクを本来のBGMとともに味わいたかった……。しかもポケモンリーグ再戦不可らしいじゃん……。


 ポケモンサウンドは小学生の頃に兄たちのルビサファ触らせてもらってた頃から大好きで、中1のクリスマスにBWのサントラを買ってもらってからはサウンドそのものだけじゃなく、サウンドチームの皆さんも本当に大好きになってずっと応援してるから、こんなバグが紛れ込んでしまってただただつらい……。きっとサウンドチームの皆さんはもっとつらいだろうな……。

 

 改めて四天王戦とオモダカ戦のBGM(本来のやつ)ネットで聴いた。特にオモダカ戦のBGM、いろんな作品からいろんなフレーズが引用されてて、でもそれがパルデアっぽさという統一感の下にミックスされてて、ポケモンサウンドファンにとってはめっちゃくちゃ嬉しい曲じゃん……。これサウンドチームの皆さんの想定したとおりに聴きたかったな……。

 

 他にもちょっとした笑い飛ばせる面白表示バグとかはいくつか引いてたんですが、↑のがあまりにショックすぎてバグだって知ったとき(今)はもうなんか虚脱感がすごくて書かんでもいいやってなっちゃった。

 

 

 

○音楽
 ポケモンリーグのBGMバグは記憶から消去されました※

 

 サウンドチームがこれまでと同じような方たちで構成されているのかを知らないから何とも言えないけど、一之瀬さんの雰囲気をバシバシに感じる曲がけっこうあって(テラレイドバトルの曲とか)あ゛ぁ゛ーー今作はこう来たのねェ?いいじゃないのォの気持ち。あと佐藤さんっぽい曲(チャンピオン ネモ戦)とか足立さんっぽい曲(オモダカ戦)も聴けてうれしい。上の楽曲と作曲者が一致してるかは知らんが(とくに新しい方がサウンドチームに入ってるとかだったらお手上げ)、僕の勘はそう告げている。

 

 特に気に入ってるのはテラレイドバトルの曲と、チャンピオン ネモ戦の曲かなあ……。サビとかハイここ盛り上がるよ!ってところでスパァーンと解放される曲が個人的にツボなのです。

 

 SVのサントラ出るんですかね。剣盾のサントラが未発売ってことを考えると望み薄かもしれないけど……サウンドチームさんよろしくお願いします。

 

 あと、エンディングでもあるエド・シーランのCelestialがめっちゃくちゃいい。良すぎて聴いてたら泣きそうになる。MVも激かわ激エモなので見たことない方はぜひ。Acaciaといいテーマ曲は僕によく刺さる。

youtu.be

 


ポケモン
・図鑑がかわいい
 ポケモンを捕まえて図鑑に登録されたら、そのポケモンのページの画像がそのポケモンが世界で生活しているワンシーンを切り取ったものになるんだけど、それがめちゃくちゃいいのよ。

このコダックとかキュートすぎない?この調子で400匹ぶんあるもんだからこれ集めて眺めてるだけでもめちゃくちゃ楽しいのよね。ポケモンカード眺めてる時みたいな感じ。単純にリストが埋まった図鑑を眺めることも満足感あるけど、イラストを鑑賞するという楽しみも加わってこれもまたポケモンを捕まえるモチベーションになるんだ。

 

・コライドンがかわいい
 アギャアス

 

・進化後のポケモンが野生でたくさん出てくるのがいい
 進化後のポケモンって出現しないことって結構よくあったじゃないですか。今まではムクホークはそのへん飛んでなかったし、イーブイの進化系たちは自前で揃えなきゃいけなかったし。今作は(全てのポケモンではないにしろ今までのよりもはるかに多く)進化後の姿での野生出現が見られ、かなり嬉しいポイントです。


 というのも、図鑑説明って大抵は”自然に棲んでいるそのポケモンの生態”について綴ったものじゃないですか。”こういうふうに餌を集める”とか、”こういうふうに縄張り争いする”とか、”こういうふうに仲間とコミュニケーションを取る”とか。なのに進化後に限って野生で生息してないってどういうことなんだと長らく思い続けてきたんです。ゲームで実装されている範囲に生息してないってだけとも考えられるかと思いますが、”ある系統の進化後のものが進化前のものを従える”みたいなよくある設定に見られるようにも、彼らは同所的に生息するのが一般的だと感じていたため、進化前の姿ばかりが出てくることに対し、僕としては(”ゲームの都合”という理由以外に)あまり納得がいってませんでした。今作では進化後の姿もあまり出し惜しみせずガンガン登場してきてくれて、ポケモンの世界の解像度がまた上がったというか、納得感が増したというか、とにかくスッキリしました。

 


 ちなみに、新ポケモンの中で見た目以外のデザインも含めたところで今気に入ってるのはスコヴィランとリククラゲです。
 スコヴィランは待望のくさ・ほのお複合タイプで、ハバネロがその複合タイプのモチーフになりやすいのは想像に難くないんですが、スコヴィル値ヴィランを引っ掛けてハバネロの強烈なイメージに悪党っぽさがプラスされた、チンピラみたいな立ち姿といかつい風貌が妙にしっくり来ています。果実の先っぽの細くなってるところを舌に見立てていたり、種を歯に見立てていたりとモチーフに忠実なのもグッド。


 リククラゲもしっくり来たで賞な感じです。クラゲからキクラゲへという刺胞動物から担子菌への大変身を、ドククラゲの名前をたった1文字変えるだけで完璧に表現していて、こういうセンスが欲しいなあと感服致した次第です。

 

 マスカーニャの両手を後ろで組む仕草やばない?少年時代にプレイしとったらポケモナーに目覚めてもおかしなかったで……。

 


○登場人物
 モブがすくねえ。ユニークキャラはみんな魅力的。


・モブキャラのデザインも毎回割と楽しみにしてたから学生・モデル・シンガー・やまガールなどで構成される独特な生態系はちょっと予想外でした。エリートトレーナーとかポケモンブリーダーとかいつもの人たち見かけたっけ……?もうちょっと多彩だと嬉しかったなというアレはあります。

 

・ユニークキャラはみんな好きになりました
 ネモ:何を隠そうとても好き。出会ったときに必ず勝負になるでもなく、わりと自らを律して遠慮してくれてたけど、正直ジムで会うたびにこっちから戦いたいくらいでした。僕も戦闘狂ではあるのでね。勝負の世界にただただ一途に身を置いているようなキャラクターですが、でも生徒会長としてまわりを気にかけるような言動も印象的(ペパーに対して「学校ちゃんと来なよー!」と窘める、とかね)で、まあーーー好きです。

 チャンピオンという実力の高さやそれに恥じない高い志を持ちつつも目線はずっと主人公と同じ高さだったので、歴代チャンピオンの中でも最も親しみを持てるチャンピオンだと感じました。あとBGMがめちゃくちゃいい。

 

 

 ペパー:何を隠そうとても好き。初めて灯台のところで出会ったときは「なんだか話聞いてくれないヤツだなあ」とか思ったのですが、その直後に学校でスパイス集めを頼まれた段階で「あ、悪いやつじゃないな」と思わせる真っすぐさを感じさせ、スパイスを集めて回ってるときには「めちゃくちゃいい子……ッ!」と感涙しそうになる素敵なキャラクターでした。ただでさえ長い間母の愛を知らずに生きてきたのに、エリアゼロの冒険ではさらにショッキングな事実が明かされ、それでもそれを受け入れへこたれずに前に進もうとする姿を見て、「なんて前向きなんだ……!」と感じ入ってしまいました。いやーーー好きです。


 あとスマホカバーかわいい。

 

 

 ボタン:何を隠そうとても好き。その部分にめちゃフォーカスを当てて描写されてたわけではないけど、「自分もいじめられっ子の1人なのに、他のいじめられっ子と力を合わせてスター大作戦を決行した」ってめちゃくちゃロックなことやってるし、スター大作戦でもLPハッキングでも、自らの行いをうやむやにせずに省みて次の正しい行動に繋げようとする姿勢は偉いよなぁって思う。


 ちゃんと仲間として関わり始めるのがネモやペパーよりもだいぶ後になってからなので、ともすればスターダスト★ストリートのクリア後に控えるエリアゼロの冒険では影が薄くなってしまうかもしれないところかとも思うのですが、4人でエリアゼロを下っていく道中での会話で見せた小気味よいツッコミや、4人のそれぞれの家族との関係を対比させながら描きつつ、それぞれがちょっとずつ仲良くなっていくところとかすごく印象に残っていて、んもーーー好きです。

 

ここの仲直りするところすき。最初ちょっと険悪だった2人が仲直りして満足げな生徒会長もかわいくてすき。

 


ジムリーダーやポケモンリーグのみんなも……LOVEだべ……(ここ片っ端から書いてたら年内にすら書ききれなさそうだし、そうこうしてるうちに物書きエネルギーが切れちゃう可能性が高いので省略させてください)


 コルサさんとハッサク先生みたいに、キャラクター同士の交友関係が見られるところはとても楽しいですね。やっぱ授業はめちゃくちゃいい要素。もっと受けたい。

 

 チリちゃんさん、戦闘開始時にスッ……と表情が冷たくなるのめちゃくちゃ”良い”。

 

 この記事書くのに集中しすぎて肩が凝っている23歳男性に効果はバツグンです。おいくつくらいなんでしょうかね。

 

 


○シナリオなど
 んまーーーーーーーーー良かった。最高。ポケモンのシナリオにここまで情緒をブルンブルン投げ縄みたいに振り回されたのは久々です(前回はポケダンかな)。時間をかけたらなんかいくらでも書きたいことが出てきちゃいそうなんですが、とりあえず今思いついてる話題だけ喋っていこうと思います。

 

チャンピオンロード・レジェンドルート・スターダスト★ストリートについてはネモ・ペパー・ボタンのところで軽く語ったので、ここではザ・ホームウェイのお話メインで(最後に1個だけネモの話します)。

 

・ペパーくん、強く生きて
 ゼロラボにはペパーとオラチフの写真が貼られているのに対して、灯台の研究所(最近コンロが使われた跡があるので現在もペパーが利用していると考えられる)の写真立てには写真が入っていないから、オーリムAIから本当に愛していたよという言葉を聞くまでは、ペパーは少なくとも心の大部分では愛されてないって信じてたし、逆にペパーが母を家族として愛することもほとんどなかったのかなあと思います。だから本当に愛していたという言葉は「今さら」で、もう愛を返しようがないことに対する「ずるい」かなあなんて。

 

 ペパーはオーリムAIに対しても「母ちゃん」と呼び掛けていたので、彼は立て続けに2回母を失った(母が実は亡くなっていたという事実を知ったとき、オーリムAIが過去へと旅立ったとき)のかもしれません。そんなん僕だったら帰り道買い食いどころか胃の中のもの全部吐いた挙句不登校になってもおかしくないぞ……。なのにその後のペパーはいろいろ吹っ切れてダチの僕らとスクールライフ楽しむって言ってくれるし……強すぎる……推せる……!!

 


・オーリムAIが楽園防衛プログラムに上書きされたときの演出
 なんか違う文章が見えた気がしたけどプレイ中は読めなかったからあとで自分の録画確認したらこれを見つけたときのプレイヤーの気持ち(配点10点)

 

 僕はこれ見たときFF10のジェクトを思い出して(3回話しかけたら「もう声は届かない…」ってなるやつ)相乗効果で泣きそうになりました。理性では戦いたくないんだけど支配的な存在に上書きされて戦わせられる系の哀しきボスは僕によく効く。

 


・ボン・ボヤージュとサヨナラ

 プレイ中は情緒がそれどころじゃなくて「あぁ……オーリム博士行ってしまった……」ってなってたけど、その日寝るときにふとBWのサヨナラを想起して、これもお別れで閉じる物語だったんだな……ってじんわり寂しくなりました。SMのリーリエも大枠で見たらこの部類かもしれないけど、やっぱり強く連想するのはNのサヨナラ。最後の一言に別れの挨拶を持ってきてることもそうですが、最後のメッセージの展開(ラストバトル→主人公(たち)を褒める→自分のこれからについて話す→主人公(たち)を激励→別れの挨拶)がサヨナラと完全に一致してるんですよね。


 きっと「どれほど辛い過去があったとしてもキミたちなら……自分が選んだ道を胸をはって進んでいけるだろう」ってセリフはバイオレットだと「過去」の部分が「未来」に変わる感じだろうってのは簡単に予想ができるし、そういったバージョンごとにちょっとしたセリフの違いを用意していそうなところからも、やっぱり今作のラストはBWのセルフオマージュなんだろうなと感じました。

 

 僕は第五世代に非常に強い思い入れがあって、中学高校の頃にBWやBW2のサントラを無限に流してストーリーについて家族に語っていたら、ゲームをしない母までBW好きがうつって母子でハモりながらサントラ丸々歌いきれちゃうくらいなものなので、丁寧なBWオマージュは素直にすごく嬉しかったです。

 


・Celestial


 「キミたちの冒険をここから見ていて感じたことがある」
 「キミたちのその自由さがうらやましいと」
 「仲間を想い徒党を組んだり……(中略)……その翼で大空を翔けまわったり、な」
 ってセリフがあった後にエンディングでCelestialが流れてアァ~~~~~ってなりました。大空!翔けまわる~~~~~!!って。

 


 エンディングまわりについては今思いつくのはこれくらい。あとこれはザ・ホームウェイではなくチャンピオンロードの、というか特にネモの話なんだけど、1つだけ話したいことがあるから書かせてくだせえ。

 


・バトルコートの立ち位置

 こうやってモンスターボールが真ん中に描かれたバトルコートに立つとき、主人公は必ず色がついてない方(ボールでいう下側)に立って、相手は必ず色が付いてるほう(上側)に立つんですよね(今作はバトルコートで戦う機会が多かったから気づいた)。

 これに対して個人的には「主人公は常に上を見上げるチャレンジャーである」という解釈をしていて、勝手にエモくなってます。

 

 もしかしてこの演出は前からあったのかと思って調べてみたんですが、そもそもモンスターボールマークの色が非対称になってるデザインのバトルコートが剣盾のヤロー戦とORASの四天王戦、XYのカルネ戦くらいしか見つかりませんでした。なのでジム戦・チャンピオン戦のフィールドデザインが統一されているのは恐らく今作が初めてで、そこにはなんらかの意図があるんじゃないかと。そういうわけで上記の解釈をしたわけです。

 

 

 ところで、初めにネモと戦うネモの家の裏のバトルコートと、最後にチャンピオン・ネモと戦うテーブルシティのバトルコート、この2つだけボールの上半分のデザインが虹色なんですよね(他の町でも多少カラフルなところはあるけど多くても4,5色とか)。また、初めのバトルコートは色が淡いけど最後のは色が鮮やかになっているって違いもあって、ここにもなんか見出せそう。

 

 初めにパッと思いついたのは、初回の勝負からラストバトルまでの道のりの中で主人公が乗り越えてきたジムリーダーたちの色が加わって、より鮮やかになったというもの。すっごい単純かもしれませんがまあありそうかもしれません。

 

 と思ったのですが、いやいや色の変化があったのはネモ側のコートなのだから、ネモ自身に変化があったのではないか?と考え直しまして、ネモの変化を探してみることにしました。で考え付いたのが、コートの色の変化は、彼女が”宝物”を手に入れたということを表している、という解釈です。つまり、淡い色から鮮やかな色になったということは、新米トレーナーだった主人公がネモに追い付いてチャンピオンとなり、彼女がずっと待ち望んでいたライバルという”宝物”を得た、ということ。鮮やかなバトルコートは、主人公が彼女に追い付いた時の彼女の”宝物”の輝きようを示しているのかなと思ったり。

 

 あでも”宝物”はライバルすなわち主人公の存在なんだから、主人公が強くなるほどに鮮やかになっていった(=各地のジムリーダーの色が加わって鮮やかな虹色になった)っていう最初にした解釈と同時に成立するな。それじゃあ僕個人はこの解釈を携えていくことにします。

 

 

○まとめ
 ポケットモンスター スカーレット、改善点はいくつもあるだろうしBGMのバグは普通にショックなんだけど、それを差し引いても本当に素晴らしいゲーム体験でした。製作に携わったみなさんありがとう!ここまで読んでくれた方もありがとう!

 

 それでは僕は杭探しに戻ります。みなさんも引き続きよい旅を!

 

2022.11.26